公開質問状

国土交通大臣 前原誠司 殿
2010年2月10日

愛宕山を守る市民連絡協議会
代表 岡村 寛

 愛宕山地域開発事業の後処理や民間空港の再開については、空母艦載機部隊の岩国移駐との密接な関連が指摘される中、十分な情報提供や説明がなされないままに、法的な手続き等が進められ市民の不信感の大きな原因となっている。
岩国市民の信頼を取り戻し、問題の根本的解決を図るためには、この間の事実関係の解明と、法律に基づく適切な対応が不可欠である。
 下記事項につき公開の上質問する。政府として2週間以内に文書で回答されたい。

1.愛宕山地域開発事業の廃止について
@ 2009年2月6日、山口県知事により、新住宅市街地開発法に基づく愛宕山地域開発事業の廃止に係る都市計画の変更が行われた。
空母艦載機部隊の移駐に伴う米軍住宅化が取り沙汰される中で跡地の転用方法はもちろん売却先さえ決まらないままに、10年間実施されてきた大規模都市計画事業を突然廃止し広大な開発地を無計画な状態に置くことは、計画的にまちづくりを行うことを目的とする都市計画法の趣旨に明確に反すると考えるが如何か。同法を所管する国土交通大臣として、責任ある見解を明らかにされたい。
A 同日、国土交通省中国四国整備局長により、新住宅市街地開発法に基づく愛宕山地域開発事業に対する認可の取り消しが行われた。
同法に基づく強制収容の権限を背景に土地を取得し、国土交通省の様々な支援を受けて10年間実施されてきた大規模都市計画事業について、上記@と同様に後処理が何も決まらないままに、突然事業認可の取り消しを行うことは、良好なまちづくりを行うことを目的とした新住宅市街地開発法の趣旨に明確に反すると考えるが如何か。同法を所管する国土交通大臣として、責任ある見解を明らかにされたい。
2.民間空港の再開について
 民間空港の再開と米軍再編は別問題であるとされる一方、来年度政府予算案に関する国土交通省の説明においては「空母艦載機部隊の岩国移駐に係る負担を担う地元自治体の要望に配慮して行う。」とされている。
 厳しい航空情勢の中、岩国に民間空港を作る積極的な必要性があるとは思えず、米軍再編を受け入れることが民間空港再開の前提になっていると考えるが、両者の関係を明確にされたい。